(東京中央社)熊本県で28日に発生した地震で甚大な被害を受けた同県八代市の小野泰輔市長が30日、中央社の電話取材に応じ「台湾は本当に日本の良き隣人」だと述べ、頼清徳(らいせいとく)総統をはじめ、多くの台湾の人々から支援が寄せられたことに感謝の意を示した。
小野市長は、現在の喫緊の課題は捜索救助ではなく、生活面での支援だと語る。30日現在、八代市の全人口約11万8000人のうち、半数近い約5万6000人が断水被害に直面している。一部の地域では停電でエアコンが使えず、被災者は猛暑の中、過酷な生活を強いられている。
また、多くの人が車中で避難生活を送っており、熱中症対策で一晩中エンジンとエアコンをつけていることから、ガソリン不足の問題も生じている。ガソリンスタンド前で給油を待つ車列により周辺道路の渋滞も深刻化。八代港には油槽所があるものの、地震による液状化現象で周辺道路が寸断され、一時はガソリンの輸送が滞っていた。県による懸命な復旧作業で30日から輸送が再開され、供給状況は徐々に改善する見通しだ。だが、政府からのさらなる供給が必要だと小野市長は訴える。
台湾からの支援について、小野市長は「日本で厳しい災害が起こるたびに、ものすごく温かい支援をしていただいている」と言及。今回の熊本地震でも頼総統だけでなく、多くの台湾の人々から支援が寄せられているとし、「そのことが復興の力にもなる。本当に感謝している」と述べた。
また、期待される支援活動については、言語の壁があるため、救援要員の派遣よりも、物資や資金面での支援の方が望ましいとの考えを示した。現時点では、飲用水や食料、簡易トイレなどの生活物資が最も必要とされており、今後、避難生活が長引くにつれて段ボールベッドや避難所の仕切り板など、居住環境を改善する設備への需要も高まると予想している。
2024年の能登半島地震では、台湾を拠点とする仏教系慈善団体「慈済基金会」が被災地の石川県穴水町で炊き出しを行い、被災者から高く評価された。台湾の民間団体による炊き出しを歓迎するかとの問いに対し、小野市長は「非常に歓迎する」と答えた。
小野市長は「温かい食事、それも台湾料理であれば、市民はきっと喜ぶだろう」と話し、温かい食べ物はお腹を満たすだけでなく、疲れ切った被災者の心をほっとさせる大きな慰めになるだろうと語った。

