アプリで読む
ダウンロード

台湾のスーパー・量販店業界、新たな局面に 「ロピア」新業態や「カルフール」改称

2026/09/13 18:24
カルフールから名前を変えたプロスペリティ―プラザ(万家福)=康達盛通提供
カルフールから名前を変えたプロスペリティ―プラザ(万家福)=康達盛通提供

台湾のスーパーや大型量販店で、相次いで大きな変化が起きている。昨年から今年にかけ、大型量販店の二大巨頭だったカルフール(家楽福)やRTマート(大潤発)はいずれも運営母体の変化により新たな名称になった。2023年に台湾進出した日本の大手スーパー「ロピア」も順調に店舗数を伸ばし、世界初となる新業態店舗「ロピア・プレミオ」を開店させた。

業界のブランド再編 大型店は台湾企業主導の構図に

台湾の量販・スーパー市場における最大の変化の一つがブランドの再編だ。スーパー最大手のPXマート(全聯福利中心)は22年、フランスのオーシャングループと台湾の潤泰グループによって運営されていたRTマートを買収。RTマートは25年に「メガPXマート」(大全聯)に改称された。

大型量販店とスーパーの2形態を展開していた台湾カルフールは、1987年にフランスのカルフールと台湾の食品大手、統一企業の合弁で設立された。その後、統一企業を傘下に持つ統一グループが2022年に仏カルフールと株式譲渡契約を結び、23年に統一グループの2社が株式を取得。今年3月には社名を「康達盛通」に変更した上で、7月には屋号を量販店はプロスペリティープラザ(PROSPERiTY PLAZA、万家福)、スーパーはユニ・プロスペリティー(Uni-PROSPERiTY、楽家康)にそれぞれ変えた。

これにより、台湾の主な大型量販店はプロスペリティープラザ、メガPXマート、a.マート(愛買、遠東グループ)、コストコの4ブランドとなった。過去には外資系が発展をけん引していたこの業界だが、今では外資系は米国のコストコのみが残り、台湾企業が主導する新たな局面へと展開した。一方、台湾企業の3ブランドが店舗を削減する傾向にある中、コストコは勢いを増している。台湾1号店の高雄店(南部・高雄市)が7月、台湾最大の店舗「新高雄店」として移転オープンした。

メガPXマート(大全聯)=中央社資料写真
メガPXマート(大全聯)=中央社資料写真

ロピアの台頭 「台湾人の生活の日本化」市場に参入

さらに、日本のロピアが急速に台頭し、市場に新たな競争モデルをもたらしている。なお、台湾でセブン-イレブンを運営する統一グループの統一超商が今年4月、台湾ロピアの株式を取得すると発表。取引完了後には株式51%を取得することになるが、現在は公平交易委員会(公正取引委員会に相当)の結合審査待ちとなっている。そのロピアは9月12日、高雄市の百貨店、漢神百貨に「ロピア・プレミオ」をオープンさせた。同百貨店を訪れる高所得層の顧客ニーズに合わせた新ブランドで、世界初だという。

台湾ロピアの水元仁志総経理(社長)は、同店では品ぞろえを一から企画し直し、高級なフルーツや和牛、海鮮を使ったすし、総菜、スイーツなどを取り入れて既存の店舗とは異なる買い物体験を提供すると明らかにした。

台湾で展開する「ロピア」=中央社記者何秀玲撮影
台湾で展開する「ロピア」=中央社記者何秀玲撮影

中国文化大学商学部の鄭貴尹助理教授(助教)は、ロピアの台頭から、台湾の消費者が日本のスーパーや総菜、生鮮食品、生活様式を受け入れる度合いがすでに高まっていることが分かると指摘。ロピアが参入しているのは「台湾人の生活の日本化」市場だとも言えると述べた。

また、ロピアは一般的な商業施設だけでなく、これまで高級スーパーが入っていた百貨店への出店も始めているとし、「ロピア・プレミオ」の事例は、百貨店のスーパーがもはや食材を売るだけではなく、上質なライフスタイルの一部になったことを示していると解説した。

「食材の買い出し」から「暮らしの体験」へ

鄭氏は、新世代の消費者は現場での体験、総菜の選択肢、話題の商品、SNSでの共有と価格感をより重視していると考える。デパ地下スーパーの競争は「誰が『食材の買い出し』を『暮らしの体験』へ変えられるか」にかかっていると話す。

オープン初日のコストコ新高雄店=2026年7月3日、中央社記者林巧璉撮影
オープン初日のコストコ新高雄店=2026年7月3日、中央社記者林巧璉撮影

一方、コストコが高雄に台湾最大の店舗をオープンしたことを巡っては、コストコが「売り」にしているのは、会員制度、家族でのまとめ買い、駐車の便利さ、高いリピート率だと指摘。コストコが見据えているのは店舗単体の売り上げではなく、台湾南部の家庭が週末に訪れる目的地としての消費ポテンシャルだとした。

その上で、今後の台湾の量販市場の競争は、もはや価格や品目だけを競うのではなく、「販路の競争」から「生活シーンの競争」へと向かっていると言及。今後、消費者の生活シーンを捉え、家庭や都市、人口とライフスタイルの変化を理解し、それに対応できる企業こそが、今後の小売業界の勢力図における重要な役割を担う存在になり得ると述べた。(何秀玲/編集:田中宏樹)

> 中国語関連記事
私たちはあなたのプライバシーを大切にします。
当ウェブサイトは関連技術を使用し、より良い閲覧体験を提供すると同時に、ユーザーの個人情報を尊重しています。中央社のプライバシーポリシーについてはこちらをご覧ください。このウインドウを閉じると、上記の規範に同意したとみなされます。
97