(台北中央社)中国は、国家の重要産業・技術の安全を脅かす恐れがある場合に国民の出国を制限できると定めた「出入国管理規定」を15日に施行する。台湾で対中政策を担当する大陸委員会の沈有忠(しんゆうちゅう)副主任委員は14日、中国への出入境でリスクがある人として、半導体・ハイテク人材など5類型を挙げ、警戒を呼びかけた。
同規定に関する座談会が台北市内で行われ、沈氏ら登壇者が開会前に報道陣の取材に応じた。
沈氏が挙げたリスクがある5類型の人々は、①中国に滞在する台湾企業関係者②台湾企業の幹部③半導体・ハイテク人材④末端の公務員⑤特定の宗教関係者。沈氏はこれらの人々に対し、警戒するとともに、事前に同委のサイトで渡航情報の登録をするよう呼びかけた。また、中国で取り調べや拘束を受けたり、行方不明になったりする人の数が増えているとし「過去数年間の増加幅は確かにやや異常」だと述べた。
中央警察大学国境警察学科の王智盛助理教授(助教)は、新規定で最も注目されているのはハイテク分野への厳しい規制だと指摘。特に、テクノロジー業界の台湾企業関係者や、中国に仕事で赴くテクノロジー人材について、中国への到着後、ハイテク関連情報を把握していることを理由に当局から標的にされ、容易に出国できなくなったり、出国するために情報提供が必要になったりする可能性について注視する必要があるとした。
台湾台北地方法院(地裁)国家安全専門法廷の許凱傑裁判官は、同様の規定は過去に施行されていると指摘。2023年に改正された反スパイ法では、域外の人がスパイ行為に関与した場合、出国を認めないことができると規定されているとした上で、新規定はいわば「上乗せ式」で、輸出規制と技術規制をさらに強めるものだとの考えを示した。