台湾は23日、中華民国史上初となる総統直接選挙の実施から30周年を迎えた。1996年に初めて実施されたこの選挙は、台湾の政治体制において国家の最高指導者を選ぶ選挙が、間接選挙から国民による直接選挙へと移行したことを示し、アジアの民主主義政治における成功例ともされる。
総統選には、当時総統だった李登輝(りとうき)氏を含め4人が出馬。各候補が激しい選挙戦を繰り広げる一方で、両岸(台湾と中国)関係の緊張は高まった。中国人民解放軍は96年3月8日、南部・高雄沖や北部・基隆沖にミサイルを発射し、米軍は空母機動部隊を台湾周辺海域に派遣。一連の緊張は「第3次台湾海峡危機」として知られる。
だが投票日当日、有権者1076万人が投票所に足を運び、76.04%という高い投票率を記録。「主権は国民の手にある」という民主主義の理念を実践した歴史的な節目となった。開票の末、李登輝氏が581万3699票を獲得し、第9代中華民国総統に当選した。
中国による軍事圧力にさらされる中、台湾が総統直接選挙を平和に終えたことは国際社会から注目を集めた。以降、台湾では2026年まで8回の総統選挙が実施され、3度の政権交代が起きた。台湾は民主主義の道を着実に歩み続け、現在では20歳を超えた国民が自らの一票でリーダーを選ぶことは、台湾政治における日常として定着している。
(編集:楊千慧、写真は全て中央社資料写真)

















