2006年、国家科学・技術委員会(国科委)は「台湾科学普及伝播事業推進計画」を始動し、第1回「台湾科学普及伝播事業発展計画―メディア制作・放送・普及試行プラン」を打ち出しました。「台湾版ディスカバリーチャンネルを作る」とする計画の目的は、当時テレビ局でプロデューサーとして働いていた袁瑗氏の情熱を刺激。袁氏はこの計画に大きな期待を抱くこととなりました。
科学映像の制作に専念することに決心した袁氏はテレビ局を離れ、自身の制作チーム「東台伝播」を設立しました。この活動は現在まで約20年にわたり続いており、その間、国科委の支援の下でおよそ20本の科学映像作品を制作してきました。フランスと共同制作した『Hello Brain!』、国家実験研究院と共同で制作した『永不妥協-実験室的挑戦物語』(決して妥協しない ― 実験室の挑戦物語)、『下一步,AI。NEXT,愛』(次の一歩、AI。NEXT、愛)、『実習生的筆記本』(インターン生のノート)、さらに台湾テクノロジー・社会学会の7人の研究者と共同制作した『打開社会事件S档案』(社会事件Sファイルを開く)などがあります。これら5作品は台湾のラジオ・テレビ番組賞「ゴールデン・ベル・アワード」(金鐘奨)で自然科学ドキュメンタリー番組賞を受賞し、業界の注目を集めました。
これら受賞作品の背後には、チームの懸命な努力とプロ意識が詰まっています。袁氏のチームは計画への申請段階から、映像内容や市場分析、ターゲット視聴者、メディアとのルート、実施効果といった各方面に関する詳細な企画書を提出していました。さらに科学的内容の厳密性についても専門家による厳格な審査を経ており、こうした取り組みによって、東台伝播は人間味ある温かさを備えた独自の科学映像を生み出すことができたと言えます。
『下一步,AI。NEXT,愛』では、人工知能(AI)が技術の急速な発展に伴い、大きな注目を集めていることが制作の起点となりました。東台チームの目標は、人々にAIへの正しい理解を持ってもらうことで、高度な技術をより受け入れやすい形で提示することでもありました。この作品は恋愛のストーリーを主軸とし、ドラマやドキュメンタリーの手法を巧みに融合させながら、AIの発展に関する技術知識18項目を盛り込みました。視聴者が物語を楽しむと同時に、豊富な科学知識も得られるようになっています。
ここ2年ほど、東台チームは科学知識の紹介手法を絶えず向上させるだけでなく、新たな技術の活用にも積極的に取り組んでいます。科学映像には大量のアニメーションを使用することから、アニメーターたちもAIツールを補助として使い始めています。これまでアニメーターは3D MAX、Blender、AEといったソフトウェアでさまざまな科学原理を描写してきました。これらのツールは美しくなめらかな映像を生み出せる一方、制作には長い時間を要していました。2026年の最新作『孫子也打野』(孫子も野戦に挑む)は国防に関する科学技術兵器を紹介する作品ですが、AI技術を活用することでアニメーション制作速度が大幅に向上しました。プロンプト指令Îを通じて画面内の要素、比率、構図、質感を操作し、何度も選別と加工を重ねた結果、チームは壮大でリアルな戦闘シーンを作り上げ、映像の精巧さと繊細さは大きく前進しました。
一方で、科学映像制作では正確性を最優先に考えなければならず、これは視聴率重視のテレビメディアや、収益のためにアクセス数を追い求めるネットメディアとの間には、ある種の矛盾が存在するようにも見えます。機能性と娯楽性にはそれぞれ異なる役割があるからです。ですが袁氏は、実際には両者は相互補完できるものだと考えており、「理性」を追求すると同時に、必ず「感動」も呼び起こせると確信しています。そして、科学映像ならではの独特な魅力を巧みに発揮できると考えています。
今後も袁氏のチームは、科学と芸術が交わり合う中で、より多くの人々を魅了する科学普及映像を生み出し、科学の美しさと知恵を、さらに広い舞台で輝かせていきます。
『科学再発見』は、国科委の助成の下、世新大学とテレビ局「民間全民電視」(民視)による産学連携で制作されている番組です。365日、毎日が「科学再発見」です。
「科学再発見」番組放送情報:民視新聞台 毎週日曜午後3時〜/民視台湾台 毎週日曜午前8時〜
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