(台北中央社)製油大手、中聯油脂が製造した食用油から基準値を超える発がん性物質ベンゾピレンが検出された問題で、検査対象となった4月~6月製造分の油全30ロットのうち、1ロットが日本に輸出されたことが21日、分かった。輸出分については検体がないため、検査を実施していない。石崇良(せきすうりょう)衛生福利部長(保健相)は同日、日本は食用油におけるベンゾピレンの基準値を設定していないため、日本側に通知はしておらず、回収に関する問題もないと説明した。
衛生福利部食品薬物管理署(食薬署)が実施した検査で、4月~6月製造分の全30ロットのうち7ロットが不合格、22ロットが規定を満たしていた。検体がない輸出分1ロットと不合格の7ロットについては流通が禁じられ、廃棄処分の対象となっている。
台湾は油脂製品におけるベンゾピレンの基準値を、欧州連合(EU)や韓国と同水準の1キログラム当たり2マイクログラムと設定している。一方、中国は同10マイクログラムとより緩い基準を設定している他、日本や米国では基準値が設けられていない。
石氏は基準値の設定について、ベンゾピレンが国際がん研究機関(IARC)で「ヒトに対して発がん性がある」とされる「グループ1」に分類されていることを説明した上で、国際的な通則も考慮する必要があると言及。「海外諸国との差が拡大すれば、国際貿易の障壁になりかねない」と述べ、問題の発生を防ぐためには、食品の安全と社会の安心を確保しつつ、国際基準との整合性を図ることも考慮する必要があるとの考えを示した。