(台北中央社)米国との関税交渉で、5回目の対面協議を終えて帰国した鄭麗君(ていれいくん)行政院副院長(副首相)は2日、対米投資の拡大に関して「台湾モデル」を提示したと明らかにした。企業の自主的な計画による産業投資を軸に、政府による金融信用保証の仕組みの構築や台米共同での産業集積地の開発を併せて進める構想。鄭氏は、米国側からは前向きな回答が得られたと説明した。
鄭氏ら交渉チームは先月25日から29日にかけて、米国との対面協議を行った。鄭氏は2日に台北市内で記者会見を開き、交渉の進捗(しんちょく)状況を説明した。
鄭氏は、サプライチェーン(供給網)での協力を協議した他、相互関税の引き下げかつ従来の税率への上乗せの回避▽通商拡大法232条に基づく関税の適用外とする優遇措置の獲得▽企業投資に有利な条件を米国側が構築すること―の3点を目標に交渉に臨んだと語った。
米国は米国内での半導体生産能力の向上を望んでおり、台湾はハイテク産業の海外展開を支持しているとし、この前提の下で、政府として台湾企業の国際展開を支援していく方針を示した。
また、交渉チームは米国に対し、台湾の独自性は産業エコシステム(生態系)にあると繰り返し説明し、産業と金融、政府が協力して力のある環境を構築してこそ、台湾、米国、産業界の3者の利益を創出できると訴えたと明かした。