雲林県の優良米、欧州8カ国に輸出　張県長「農産物輸出の新たなマイルストーン」

雲林県の東遠糧業と台湾優米実業は7月8日、「東遠&台湾優米　欧州輸出PR会見」を開きました。出席した張麗善県長は、両社が雲林産の良質な米を欧州8カ国に輸出することに成功したとして祝意を示した上で、「雲林の農産物輸出における新たなマイルストーンを築いた」と述べました。雲林県は今後も農産物の転換や品質認証、市場拡大を通じて、より多くの農産品の国際市場進出を積極的に支援していきます。

 
会見は二崙郷東遠の精米工場で行われ、張県長のほか、元農業委員会（現農業部=農業省）主任委員の曹啓鴻氏、農業部（農業省）農糧署中区分署の徐恵瑩副分署長、洪如萍県議、多数の農業従事者らが出席し、雲林産の良質米が正式に欧州市場へと進出する新たな節目を見届けました。
 
張県長は、東遠糧業と台湾優米の協力により、雲林県産の最高品質の米がフランス、スイス、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、イギリス、ドイツの8カ国に輸出されたことは、農業輸出の極めて得難い成果だと言及。輸出に当たっては100項目を超える厳しい検査をクリアし、これらの国々の輸入認証基準を満たす必要があったと語りました。
 
張県長はさらに、雲林米の欧州8カ国への輸出は、東遠糧業の李元豪董事長（会長）が雲林米に寄せる信頼と、契約農家が品質を厳守して栽培に取り組んだ努力、そして台湾優米の粘り強い調整や努力が実ったものであり、価格ではなく品質で勝負した結果だと評価しました。

 
また、雲林県が台湾における主要な穀物の生産地であり、毎年のコメの作付面積は3万6000ヘクタールを超え、生産量は21万トン以上に達していると説明。今回の欧州輸出は、農民の努力が国際的に認められた証であり、台湾農業における輸出の新たな突破口になったと強調しました。さらに農業関連企業と行政の連携によって海外販売ルートを開拓し、農家が安心して耕作できる環境を整え、より良質な米を生産することで、持続可能な農業の好循環を生み出せるだろうと期待を寄せました。
 
李氏（東遠糧業董事長）は、今回の輸出量は約50コンテナ、計1200トンで、主な輸出品は「雪鶴寿司米（10キロ）」だと紹介。製品はすべてEUの食品安全規格と検疫基準を満たしており、欧州現地の代理店を通じてアジア系スーパーや外食チェーンに販売される予定であることに加え、「台湾優質米」のPRプロジェクトを同時に展開し、国内外で台湾米の品質への理解と信頼を高めると述べました。
 
続けて、今回輸出された米は二崙や崙背など地元で栽培された高品質の濁水米（※）だとした上で、「高品質で輸出基準を満たす稲を育ててくれた契約農家こそが、今回の成功の真の立役者だ」と感謝の意を示しました。

県政府農業処の魏勝徳処長は、今回の輸出は台湾産米の国際競争力向上に資するだけでなく、今後の農産物輸出のモデルになるだろうと述べました。県は今後も「雲林良品 必属精品」（雲林の良い品　絶対に高品質）を目標とし、さまざまな支援計画やブランドマーケティング、海外販路拡大、農業従事者組織の援助を通じ、地元の農家や農業業者を支え、雲林の農業を台湾から世界へ広めていく方針です。
 
（※）濁水米…流域面積が台湾で2番目に大きい河川、濁水渓系の水で育った米
発信者：雲林県政府