(台北中央社)国家科学・技術委員会が所管するシンクタンク「科学技術、民主主義・社会研究センター」(DSET)が14日に公表した最新の報告書で、2025年のウクライナの電池輸入元で台湾が金額ベースで3位に浮上したことが分かった。報告書は、特定の台湾企業が毎月500万〜700万個のドローン(小型無人機)用電池セルを継続的にウクライナへ供給していることにも言及し、台湾の電池製品がすでに世界のドローン市場に進出していることの表れだと指摘した。
DSETが公表した、ドローン用バッテリーの強靭(きょうじん)性に関する報告書によれば、ドローン用バッテリー市場は中国が長年にわたり支配してきたものの、台湾のドローン産業における中国製電池セルへの依存度は24年から25年にかけて70%から50%に低下した。台湾の電池セルとモジュール製造技術、生産能力は近年、安定的に伸びているとした。
報告書はウクライナ税関の統計を基に、台湾は19年にはウクライナにとって24位の電池供給国だったが、25年には中国とベトナムに続き、3位に躍進したと説明。今年第1四半期(1~3月)の台湾からウクライナへの電池輸出額は1185万米ドル(約18億8500万円)に上っている。
また、研究者が台湾の電池企業に対して行ったインタビューによると、ウクライナへ毎月500万〜700万個の電池セルを供給している企業は、主にエネルギー密度が高く、ウクライナの冬季の低温環境にも耐えられる三元系(NMC)リチウムイオン電池を供給しているという。
一方で報告書は、台湾は国際競争力を有するリチウムイオン電池の川下の製造能力を持つものの、川上の供給には依然としてリスクが存在すると指摘。正極活物質(CAM)やその前駆体(pCAM)、負極活物質(AAM)などは依然として中国が主導権を握っているとし、中国が昨年、関連材料の輸出規制を敷き、台湾の複数の国防関連企業に制裁を加えたことは中国のサプライチェーン(供給網)に依存するリスクを示していると警鐘を鳴らした。
報告書は政府に対し、公的機関におけるドローン用バッテリーの調達から中国製品を排除する現行の政策を基礎として、さらに一歩進んで電極材料の国産化や脱中国化の推進を提言した。