(台北中央社)民主主義諸国の国会議員で構成する「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC)のメンバーが中国福建省に近い離島・金門の周辺海域を視察したことに対し、中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)は10日、視察は与党・民進党に利用されたものだとして批判した。同行したIPAC台湾共同主席の范雲立法委員(国会議員、民進党)は12日、IPACについて「単一国家や政府、政党が操れるものではない」との立場を表明した。
視察には英国やニュージーランド、チェコ、ウクライナの国会議員やインドの元議員、IPACの共同創設者で事務局長のルーク・デ・プルフォード氏らが参加。IPACの台湾共同主席を務める范氏や野党・民衆党の陳昭姿立法委員も同行した。一行は9日、海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)の巡視船に乗船し、金門南西部から南東部まで時計回りに視察した。
IPACメンバーの金門視察を受け、国台弁の陳斌華報道官は10日夜、「IPACは極端な反中分子が寄せ集まった『形ばかりの集団』」だと批判。「外国勢力を後ろ盾にして自らの立場を強めようとする民進党の野心は徒労に終わる」とし、「外国勢力に頼って台湾独立を図る試みは必ず失敗する」と断じた。
范氏は12日、自身のフェイスブックで、記者から国台弁報道官の発言に対する見解を求められたとし、自身の回答は「IPACは40カ国を超える、300人近い国会議員で構成されており、いかなる単一国家や政府、政党でも操れるものではない」との考えを示した。
范氏はまた、視察に参加した各国議員らが風や波、日差しにさらされながら甲板に立ち、台湾海峡の防衛業務の詳細について踏み込んで質問する姿に胸を打たれたと振り返った上で、IPAC事務局も国会議員らも、中国共産党の常習的な各種の威嚇を熟知しているとし、国台弁の痛烈な批判も予想の範囲内だとした。