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台湾映画PickUp/渡辺直美出演作 台湾土着の世界観が光るホラーコメディー「怎麼可能我家的祖先是你家的鬼」

2026/07/07 12:29
台湾映画「怎麼可能我家的祖先是你家的鬼」場面写真(台北映画祭提供)
台湾映画「怎麼可能我家的祖先是你家的鬼」場面写真(台北映画祭提供)

お笑い芸人の渡辺直美が出演する台湾ホラーコメディー映画「怎麼可能我家的祖先是你家的鬼(Oh My Ghost! Oh My God!、仮訳:うちの先祖が君の家のおばけだなんて)が6月26日、第28回台北映画祭で開幕作としてプレミア上映された。台湾原住民(先住民)族タイヤル族と漢民族の「霊/おばけ」観も垣間見える、台湾土着の要素が詰まった作品となっている。

物語は、渡辺演じる国際的スター・ジュリエットがマネジャー(リウ・イーハオ 劉以豪)と共に、両親の思い出の地である台湾の山奥にある秘境「霊湖」を訪れようと、幼少期を過ごした村を訪れるところから始まる。現地に暮らすタイヤル族の旧友に付き添いを頼み、現地の仲間と共に山林に足を踏み入れると、道中でタイヤル族の祖先の霊や山に住むおばけと遭遇し、その過程で隠されていた秘密が明らかになる—。

監督は俳優でもあるソーダ(蘇達)。映画「セデック・バレ」では花岡二郎を演じた。今作は長編初監督作で、脚本を手掛けた他、主要キャストの一人としても出演している。ソーダ自身はタイヤル族ではなく、ツォウ族の出身だが、今作は2018年のコメディー映画「山的那一辺」の世界観を引き継いだものであり、同作でタイヤル族の役を演じたことから、今回も同様の設定にしたという。

渡辺は台湾人の母親を持ち、台湾にルーツがある。ソーダ監督によれば、脚本の制作段階から渡辺をヒロインのモデルとしていたという。企画は新型コロナウイルスの流行前から始動しており、23年秋に台湾で撮影が行われた。渡辺は同作で、天真爛漫で食いしん坊な一面を持ちながらスターとしての葛藤も抱えるジュリエットを、持ち味を生かした自然体の演技で表現している。

同作にはビビアン・スー(徐若瑄)が特別出演し、タイヤル族のシャーマン役で老婆姿を披露している。自身の母親もタイヤル族のシャーマンの後継者であることから、オファーを受けた時は「祖先の導きだ」と思ったと明かしたビビアン。役作りのためにタイヤル語を猛特訓し、母親とも練習に励んでいたという。

同作にはタイヤル族の「祖先の霊」と登山者の「おばけ」が登場する。ソーダ監督によれば、台湾原住民族には「おばけ」(中国語では「鬼」)という概念はなく、あるのは「霊」だけ。原住民には「今に集中していれば悪いことは起こらない」という価値観があるという。逆に「おばけ」は漢民族の概念。同作では原住民と漢民族のそれぞれ異なる価値観を取り入れることで、台湾文化の多様性を表現し、物語に深みを持たせている。

台北映画祭での上映時、会場では次々と笑いが巻き起こった。笑いだけでなく感動的な場面もあり、観客を引き込んだ。

台湾では9月4日公開。日本での公開は現時点では未定。

(名切千絵)

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