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国際ブッカー賞受賞の楊双子さんが帰国 「台湾文学は誰にも劣らない」

凱旋帰国した英「国際ブッカー賞」受賞の楊双子さん=5月26日、桃園国際空港
凱旋帰国した英「国際ブッカー賞」受賞の楊双子さん=5月26日、桃園国際空港

(桃園空港、台北中央社)「台湾漫遊録」の英訳版「Taiwan Travelogue」で英国の文学賞「国際ブッカー賞」を受賞した台湾の作家、楊双子(ようふたご)さんが26日午後、台湾に帰国した。降り立った桃園国際空港で取材に応じ、「台湾文学が世界の舞台で他の人に劣ったことは一度もない。ただ、日の目を見る機会が不足していただけだ」と述べ、自身の受賞をきっかけに台湾文学にスポットライトが当たることを願った。

国際ブッカー賞は、世界的に権威がある文学賞「ブッカー賞」の翻訳書部門。英訳はリン・キン(金翎)さんが手がけた。台湾の作品が国際ブッカー賞を受賞するのは初めて。現地時間19日夜に受賞が発表されると、「台湾漫遊録」は台湾の各書店で品切れが相次ぎ、出版社は25日までに計10万部の増刷を決めた。累計発行部数は14万部となる。ネット書店大手、博客来によれば、発表直後から中国語版の販売ページへのアクセスが急増し、数時間で1000部以上が売れた。英訳版や日本語版「台湾漫遊鉄道のふたり」の売れ行きも好調だという。

チャイナエアライン(中華航空)の旅客機で妻らと共に帰国した楊さんは、文化部(文化省)の李静慧政務次長から出迎えを受け、同航空職員から花束を渡された。

英国に旅立つ前、蔡英文(さいえいぶん)前総統と面会したという楊さん。その際、「台湾のために賞を取りたい。でもこの心持ちが健康的なのか分からない」と打ち明けると、蔡氏からは「どうしてその心持ちが不健康なのか」と返された。そこで「台湾のために何かしたいというのはとても理にかなっていることなのだ」と実感したという。とりわけ、台湾にとっての今のタイミングで「台湾のために賞を取りたいと思って受賞できたのはとてもうれしい」と語った。

今回、キンさんと協力したのは、二人とも「台湾のために何かしたい」と考えており、価値観が同じだったからだと楊さんは語る。「できるだけ台湾のこと、台湾を巡る状況がどんなものなのかを語る」というのが共通認識だとし、文学の形で台湾の存在感を示し、台湾自体が注目されるに値する場所なのだと伝えたいと意気込んだ。

今後の出版計画については、台湾や女性、歴史に関係する作品を書きたいと説明。小さい部分から全体を知ることができ、台湾がどんな国なのかを理解できるテーマにしたいという。現在、2冊の執筆を進めており、1冊は現代を舞台にした小説で、来年出版予定。もう1冊は日本統治時代を舞台にした歴史小説で、2029年の出版を目指すとした。

また、台湾で信仰される航海の女神「媽祖」に願いを伝えた結果、作品の執筆に専念するため、29年までは講演の依頼を引き受けないことを決めたと明かした。

(呉睿騏、邱祖胤/編集:名切千絵)

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