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台北市長、松山空港の移転構想発表 AIパーク整備目指す 交通部「慎重に評価すべき」/台湾

2026/10/09 13:57
8日の会見で松山空港移転の構想を発表した蒋万安台北市長
8日の会見で松山空港移転の構想を発表した蒋万安台北市長

(台北中央社)蒋万安(しょうばんあん)台北市長は8日、市内の台北松山空港の機能を移転し、約300ヘクタールの跡地に人工知能(AI)パークを整備する構想を発表した。これに対し、交通部(交通省)の陳彦伯(ちんげんはく)政務次長(副大臣に相当)は同日、同空港は国際線や両岸(台湾と中国)路線、離島路線を担う交通のハブであり、民間航空や都市の発展、離島住民の交通などに関わるとして、慎重に評価すべきだとの立場を示した。

来月28日に投開票される統一地方選の台北市長選で2期目の再選を目指す国民党の蒋市長は、1期目では米半導体大手エヌビディアの台湾本社の誘致に成功したとし、台北がAI時代への扉を開ける鍵となったと強調。AIパークの北側や東側でテクノロジーパークやソフトウエアパーク、バイオテクノロジーパーク、南側で市の中心部とつながり、産業や生活機能、交通を一体化させ、居住空間を開放的なものにすると語った。

AIパークは100ヘクタールをAI産業クラスター、110ヘクタールを中央公園(セントラルパーク)、90ヘクタールを国際的で持続可能な生活エリアにすると説明。半導体チップからソフトウエアまで、台湾企業約200社からなるサプライチェーン(供給網)を構成して、12兆台湾元(約59兆円)の生産額、6万5000人の雇用、3万5000人の居住人口を見込むとした。また新北市、桃園市など北部8県市をつなぐテクノロジー回廊の形成にもつなげるとした。

空港機能の移転先については、桃園空港第3ターミナルが2027年、第3滑走路が33年に正式供用を開始する予定だとして、松山空港の輸送力を補うと語った。

▽各方面からさまざまな意見

交通部の陳政務次長は、国家全体の発展に関わることは、広範囲に影響が及ぶため、必ず共通認識を形成した上で進めなければならないと指摘。桃園空港の第3ターミナル建設プロジェクトについては、松山空港の機能を代替する内容は盛り込まれていないと語った。

新北市長選の国民党候補、李四川氏は、空港移転について早い段階から計画することに賛同。どのように移転するかなど、中央政府と十分に協議しなければならないとしながらも、AIパークが整備されれば、新北市内のテクノロジー回廊と連携できると期待を示した。

一方、与党・民進党の立法院党団(国会議員団)の荘瑞雄幹事長は、空港移転は周辺の住宅や産業園区だけでなく、国防、防災にも関わるとし、中央政府との協議が必要であり、蔣市長は、より具体的な説明をするべきだとの認識を示した。

台湾海峡の離島、澎湖県長選の国民党候補、陳振中氏は、台北との往来は通院や学習、仕事、親族訪問で重要だとし、松山空港の移転には断固として反対すると述べた。民進党候補の呉淑瑾氏も、蒋市長の心に澎湖はなく、いつでも犠牲にしてもいいと考えていると指摘。澎湖人は団結して空港移転に「ノー」と言おうと呼びかけた。

中国・福建省に近い離島、金門県長選に無所属で出馬する李文良氏は、松山空港は離島交通の公共財産だとして、移転に反対の立場を表明。国民党候補の陳玉珍氏は、金門出身者の多くは、新北市に居住し、松山空港と桃園空港のどちらを利用しても距離に大差はないとしつつも、乗り継ぎ交通を適切に整備し、必要な補助金を確保することが必要だとの認識を示し、島民の権益が十分に配慮されることを望むとした。

台北市長選の民進党候補、沈伯洋(しんはくよう)氏は9日、移転についてはこれまでも多く議論されてきたとした上で、実施するなら十分な計画が必要だと強調。投票日まで50日余りとなった時点で構想が発表されたものの、具体的な対策が明確でなく、事前の調整もなかったために反対の声が上がっているとし、やや拙速だったとの認識を示した。

(頼于榛、林敬殷、葉蓁芸、曹亜沿、劉建邦、呉玟嶸/編集:齊藤啓介)

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