(台北中央社)台北市や同市近郊に事務所を有する日系企業などでつくる「台北市日本工商会」は7日、政府への提言をまとめた2026年の「白書」を発表した。全会員企業を対象にしたアンケートに基づき、業界を超えて共通する「三つの構造的課題」を抽出し、解消を求めた。
台湾三井物産の董事長兼総経理(会長兼社長)で同会理事長の増田裕一氏が、国家発展委員会の葉俊顕(ようしゅんけん)主任委員(大臣に相当)に白書を手渡した。
同会の報道資料によると、会員企業対象のアンケートでは全体の7割を超える368社から回答があり、台湾の住環境やビジネスインフラに対する評価が非常に高い一方で、行政対応や人材活用・確保の面で多くの企業が共通の課題を感じていることが分かったという。
白書では、構造的課題の一つ目として「予見性の低い行政運用」を挙げた。インフラや不動産開発、輸入などに伴う行政手続きに多くの時間やプロセスを要する他、担当者や管轄機関によって回答が異なり、最終判断の予見性が低いことが事業計画に影響しているとの不満が多く寄せられたとした。
二つ目は「国際水準と乖離(かいり)した規制」とし、過剰な輸入規制や実態に即さない労働規制の硬直的な運用など、グローバルスタンダードと乖離した台湾独自の規制を、多くの日本企業が課題と感じていると指摘。三つ目は「投資・事業活動上の人材・電力制約」で、人材・労働力の確保や硬直的な労働規制に加え、電力の安定供給やグリーン電力の確保にも不安の声が寄せられたとした。
その上で、こうした構造的課題が改善されない場合、日本企業の台湾投資が停滞し、結果的に台湾経済や社会のレジリエンス、持続可能性の低下を招くことを危惧していると言及。政府がトップダウンでの抜本的改革を主導するよう期待を寄せた。
葉氏はあいさつで、台日の経済・貿易関係は緊密であり、関係深化の継続を望んでいると言及。同会が日本政府に働きかけ、台日での貿易協定の締結を推進することで、日本企業のさらなる台湾への投資機会が生まれることにも期待を示した。また、国家発展委員会として今後も関係省庁との調整を続け、法規や行政手続きを見直し、企業の発展を支援するとともに、同会と協力して経済の繁栄を創出していくとした。
同会は2009年から毎年、白書を政府に提出している。