(台北中央社)香港人の依頼者から報酬を受け取り、与党・民進党の沈伯洋(しんはくよう)立法委員(国会議員)一家を24時間態勢で監視したとして、台湾台北地方検察署(地検)は7日、興信所2社で責任者を務める鄭永津容疑者ら4人を個人情報保護法違反で起訴した。鄭被告には懲役1年6月を求刑した。
地検によれば、鄭被告は2024年9月5日、香港人2人から沈氏を監視するよう依頼を受け、報酬として約36万台湾元(約179万円)を受け取った。鄭被告が所属する興信所には実際の監視業務を行う従業員がいなかったため、別の興信所の責任者に18万元(約89万円)で業務を委託。男は従業員2人に監視任務に当たらせた。
監視は当初、沈氏に護衛が付いていたため順調に進まず、依頼者の香港人2人は同月27日、状況把握のために台湾に入境。興信所の責任者は鄭被告の同意を得て、小型カメラによる監視を従業員に指示した。従業員は沈氏の自宅前に止めたバイクのシートの下に、入り口を撮影するための小型カメラを設置。カメラを携帯電話のアプリと連携させ、10月1日から11月8日まで24時間態勢で沈氏とその妻子の出入りを監視した。従業員の男は撮影した映像をメッセージアプリ「テレグラム」を通じて鄭被告を含むグループ内に送り、鄭被告が再びテレグラムを通じて香港人の依頼者に送信していた。
事件を巡っては沈氏からの通報を受け、台北地検が捜査を指揮した。
地検は個人情報保護法の非公務機関による不法な個人情報収集・利用罪で鄭被告ら探偵業者4人を起訴した。香港人の依頼者2人についてはすでに出境しているため、指名手配した。
地検は鄭被告について、個人の利益のみを考え、域外敵対勢力が近年、国民に対して行っている威圧や迫害行動を顧みずに香港人から高額の報酬と引き換えに依頼を受けたと指摘。また、取り調べに対して繰り返し核心を避けており、最終的には罪を認めたものの、反省の態度が見られなかったとし、裁判所に対し、重い量刑を求めた。その他3人の被告については犯行を素直に認め、反省を示しているとし、適切な量刑を要請した。