(台北中央社)外交部(外務省)は2日、中華民国国慶日(10月10日、国家の日)を祝う特別動画「国家のアルバム」を公開した。今年は総統直接選挙の実施30年の節目に当たり、民主化の歩みを振り返るとともに、近年台湾が国際的な舞台で存在感を示してきた姿を紹介。苦難と栄光が織り成す記憶によって形作られた「チーム台湾」の精神を描いている。
外交部によると、今回初めて人工知能(AI)と歴史映像や写真、実際のインタビューを組み合わせて動画を作成。台湾が逆境の中で、自由や多様性、輝かしい民主主義を発展させてきた歩みを回顧したという。
動画の前半では、1971年の国連脱退以降、断交ドミノが続いて国際的な孤立を招き、国民の怒りが噴出しながらも、87年の戒厳令の解除、万年国会の解消を訴えた野百合学生運動などの社会運動を経て民主主義社会を実現し、憲法や選挙制度の改正によって96年に総統直接選挙が初めて実施されたことを説明。困難な状況下でも、希望を捨てずに粘り強い集団的意思を培ってきたことを紹介している。
また、頼清徳(らいせいとく)総統が中華民国(台湾)と外交関係を持つ国々の指導者と交流する様子や蕭美琴(しょうびきん)副総統が「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC)総会で演説したこと、世界保健機関(WHO)総会の期間中に台湾スマート医療・健康産業展などを初めて開催したことなどにも言及。台湾が「世界の善良な力」の一つであることを際立たせ、勇気と自信を持って世界の民主主義パートナーとのつながりを深めている姿勢をアピールしている。
さらに後半では、60年のローマ五輪男子十種競技で楊伝広さんが台湾勢初のメダルを獲得したことや戒厳令解除、99年の台湾大地震、2019年のアジア初となる同性婚合法化、20年の新型コロナウイルス禍で台湾が「善良な力」を発揮したことなどを振り返り、現在では世界AIと半導体サプライチェーン(供給網)の中核を担っていると強調している。
動画は中国語や英語の他、日本語、スペイン語など13言語で制作され、外交部のウェブサイトや動画投稿サイトなどで公開されている。外交部は、台湾は今後も、科学技術や民主主義、経済などの分野で世界に貢献していくと意欲を示した。