(台北中央社)日本とフィリピンが海洋境界画定の交渉開始で合意したことを巡り、台湾の権益に影響が及ぶのではとの懸念が生じている。外交部(外務省)の蕭光偉(しょうこうい)報道官は2日の記者会見で、関係の代表機関に対し、日比両政府に詳細の説明を求めるとともに、台湾側と協議することを申し入れるよう指示したと明らかにした。
5月28日に行われた日比首脳会談の共同声明で、両国間の排他的経済水域(EEZ)や大陸棚の海洋境界画定の交渉開始が明記された。外交部は31日、「国際法の規範に基づき、平和的対話を通じて海洋問題の解決を図ろうとする日本とフィリピンの姿勢は、わが国の一貫した立場と一致する」として評価する姿勢を見せていた。
会見では記者から台湾の海洋権益に対する影響について質問が出た。蕭氏はこれに対し、日比は具体的な画定範囲を公表していないとし、代表機関に対し両国に詳細説明を要請するよう指示したと説明。また政府として、日本の木原稔官房長官が「第三者を法的に拘束するものではない」と述べたことを把握しており、日比共に台湾東部海域における関連権益に影響を及ぼす意図を有していないとの見解を示した。
その上で、日比が交渉対象とする海域と台湾のEEZが大きく重複していることを踏まえ、台湾側は両国に対し、交渉過程においてこの事実を考慮し、台湾の権利と利益を排除または損なわないよう、また台湾側とも協議を行うよう求める考えだとした。
また、台湾は日本と「台日漁業取り決め」、フィリピンと「台比漁業法執行協力協定」をそれぞれ締結しているため、今後もこれらを基礎として、両国と海事問題について協議を続け、漁民の権益保護を図ると述べた。
この他、中国が日比の合意を受けて台湾東部海域で武力を誇示する形で地域の平和と安定を破壊していることについて、中国が同海域の「内海化」をたくらんでいると指摘。台湾として決して受け入れられない行為だと強調した。