(新竹中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家(ぎてつか)董事長(会長)兼最高経営責任者(CEO)は4日に北部・新竹県で行われた株主総会で、過去1年間は大きな成果があり、株価の上昇率は150%を超えたと話した。台湾子会社がTSMCの機密情報の不正取得に関わり有罪判決を受けた、半導体製造装置大手の東京エレクトロンについても言及した。
魏氏は、売上高と1株当たりの純利益が過去最高になり、株価は昨年6月3日に950台湾元だったのが、今年6月3日には2425元になったと述べた。
また、人工知能(AI)がさまざまな分野で力を発揮する時代に突入しており、TSMCは先端技術と卓越した製造能力によって引き続き成長していると指摘。今後も技術開発と生産能力の拡充に向けた投資を続け、顧客の成長を支えるとした。
▽ 東京エレクトロンは「非常に良いサプライヤー」
株主からは、TSMCが東京エレクトロンを、半導体製造装置のサプライヤー(供給元)リストから排除するかについて質問が及んだ。これに対し魏氏は、その予定はないと言及。今回の一件は一社員の不祥事としてしか見ておらず、両社が前に進んでいくことを決めたとし、東京エレクトロンは今後も非常に良いサプライヤーであり続けると話した。
▽ 持続的な経営には「従業員、株主、社会」への責任果たす必要
TSMCを巡っては先月、従業員の賞与を15%削減するとの情報が一部で流れて議論を呼び、この日も株主から社員を支えてほしいとの声が上がった。魏氏はこれに「完全に同意する」と回答。賞与は2023年から25年にかけては毎年30%ずつ増えており、26年も増加率は30%を超える見込みだと語った。
一方で、持続可能な発展のためには、従業員や株主だけでなく社会的責任も考慮しなければならないと強調。TSMCは台湾で多くの土地、水資源を使い、電力に至っては全体の10%近くを使用し、さらに台湾の優秀な人材を雇用するとともに税収の25%を支えているが、果たすべき社会的責任はさらに大きくしていかなければならないと述べた。
また、台湾の出生率について「低すぎる」とし、将来的にエンジニアや技術者の不足を招く恐れがあるとの懸念も示した。
▽ 半導体需要は「永遠に存在」 インテルやサムスンに勝ち続けるよう努力
この他、米インテルや韓国のサムスンなどとの競争については、勝ち続けられるよう努力するとした。半導体の需要は永遠に存在するとした上で、TSMCは技術の発展や顧客サービスの面で世界トップを維持しており、これが機会確保につながっていると語った。
各競争相手にはそれぞれの商品があるが、信頼度の面ではTSMCが世界一であり、今後も持続的に経営、成長していけると話した。

