(花蓮中央社)東部・花蓮県花蓮市にある日本統治時代に建設された旧検事長宿舎の建物が25日、芸術・文化イベントや展示・飲食を組み合わせた文化施設「花蓮知所」として生まれ変わった。運営を委託された会社を経営する歴史専門家の范雅鈞さんは、歴史建築で文化を保存するとともに、読書や展示、講座、飲食を通じて文化交流が続いていくことを期待すると語っている。
建物は台北地方法院花蓮港支部及び検察局と共に建てられ、1936(昭和11)年に完成。93年まで検事長宿舎として使われた。2008年には花蓮県政府の県定古跡に指定され、県文化局による修復が行われた。
范さんによると、契約締結から正式な引き渡しまでの間には、24年の花蓮地震やその後の台風などの自然災害に見舞われ、計画は2年の延期を余儀なくされた。運営を諦めるよう勧める人もいたが、この建物とは使命と縁があると考え、オープンにこぎ着けた。
長年にわたり農業や台湾の酒造業、歴史研究に携わり、関連の著書もある范さん。飲食を通じてその土地を知ってほしいと語る。スペシャリティーコーヒーから地元の小規模農家が「吉野一号米」を使って作るパンや菓子まで、全てを厳選している。商品だけでなく、展示する作品についても、それぞれの歴史的背景を説明できるという。
当面は予約制で、今後は歴史やテーマに関する展示、芸術・文化イベント、作家のサイン会などを順次開催する他、台湾や花蓮の郷土史を中心とした書籍も置くとしている。水曜日休館。
范さんは、周囲の友人から事業を続けていけるのか心配されていると明かした上で、歴史専門家のロマンと実践だと思えばいいと話し、「試してみないと分からない」と笑った。
