(台南中央社)南部・台南市の台湾史前文化博物館南科考古館で6月23日から、人類学・考古学者の鳥居龍蔵が残した原住民(先住民)族調査の資料を徳島県立鳥居龍蔵記念博物館と共同で解読した成果を紹介する特別展が開催されている。会場では鳥居の野帳(フィールドノート)3冊の原本も展示されている。
鳥居は日本統治時代の1896(明治29)年から1911(同44)年まで5度台湾を訪れ、原住民族の生活などを調査した。来年3月1日まで開催される特別展では、調査ルートを示した地図やフィールドノートの解読内容とガラス乾板写真撮影地点を関連付けた展示、鳥居が調査した約130年前の台湾の風景を再現した没入型映像の投影などが見られる。
また当時採集された石器標本や現在の南部・屏東県リキリキ(力里)集落で制作された伝統衣装、同県獅子郷にある文物陳列館所蔵の亀甲型家屋の模型、東部・台東県の離島、蘭嶼で作られた伝統的なトーテムの要素を取り入れた品々なども紹介している。
1日に開かれた開幕式で文化部(文化省)の徐宜君(じょぎくん)常務次長は、台日双方の研究チームがワークショップを通じ、現地の長老や関連のあるコミュニティーの協力を得て、現代の原住民族との深い対話を実践したと説明。歴史資料の解読は一方的な伝達であってはならず、現代の原住民族や台日双方の博物館の連携と参加があってこそ、歴史に新たな命を吹き込むことができると語った。
鳥居龍蔵記念博物館の戸川美史館長は、来年には日本でも特別展を開催する予定だとし、日本の人々に台湾原住民族文化の力強い生命力を感じてもらいたいと話した。