(台北中央社)台湾高速鉄道(高鉄、新幹線)が先月から導入している「静かな車内」の取り組みに、「子連れに優しくない」との声が一部から上がり、物議を醸している。高鉄は14日、取り組みの対象は客席での通話やスピーカーでの音楽・動画視聴、大声での会話だとし、注意を促す対象に乳幼児は含んでいないと強調した。また、9割近くの人が同取り組みを支持しているとの調査結果を明らかにした。
同取り組みを巡っては先日、短文投稿サイト「スレッズ」に「2人の子を連れた母親が注意を受け、デッキへの移動を促されるのを目撃した」との内容が投稿されたのをきっかけに、一部から批判が噴出した。
高鉄は先月22日、旅客運送に関する改正規則を施行。電子機器での通話や音楽・動画視聴などでその他の乗客の安寧を明確に妨げ、注意しても改善しない乗客に対しては、運送契約の打ち切りを可能にする内容を明記した。高鉄は「静かな車内」の取り組みとして、通話時のデッキへの移動や、電子機器使用時のイヤホン使用、会話時には声量を抑えることを乗客に求め、座席ポケットに啓発カードを設置するなどして周知を図っていた。
高鉄は14日の報道資料で、静かな車内の注意対象には子供や乳幼児、疾病などその他の明確な要素で自主能力に影響がある乗客の行為は含んでいないと改めて説明。9割近い人が静かな車内の取り組みを支持しているとの調査結果から、より静かで快適な車内は社会の高い共通認識であることが示されたとし、「電子機器にはイヤホン使用、デッキで通話、会話の声量は抑える」の概念を引き続き普及させるとともに、子連れに優しい取り組みを整えていくとした。
高鉄は物議を受け、14日までに座席ポケットに設置している啓発カードのスローガンとデザインを変更した他、車内販売ワゴンから啓発カードを撤去した。乗務員がカードを掲げて注意をすることもやめ、車内の電光掲示板や駅構内、公式サイトでの案内のみにするとしている。