(台北中央社)香港籍の男が台湾で構築した組織に吸収され、報酬と引き換えに軍事や国防に関する機密情報の収集などに関与したとして、台湾高等検察署(高検)は18日、現役軍人と元軍人計6人を国家安全法違反などの罪で起訴した。
検察によると、香港籍の男は中国共産党の指示を受け、ビジネスや観光の名目で繰り返し台湾を訪問。組織の拡大やスパイ活動、機密情報の収集などの不法行為を行った。退役軍人4人の取り込みに成功した後、4人を中核メンバーとしてさらに現役・元軍人4人を吸収し、機密情報の収集を行わせた。また、香港籍の男は現役軍人に対し、将来、両岸(台湾と中国)で戦争が発生した場合、部下を率いて消極的で対抗しない姿勢を取るよう働きかけていた。
高検は現役・元軍人と香港籍の男を国家安全法違反(大陸地区への秘密文書漏えいなど)、国家機密保護法違反(大陸地区への国家機密提供・収集)、刑法違反(国防上の要秘密情報の提供・収集)、陸海空軍刑法違反(軍事上の要秘密文書漏えいなど)で起訴した。
高検は、現役・元軍人が国土防衛の職責に背き、個人の利益のためだけに国家や国民を売り渡し、公務上の秘密や軍事(国家)機密を漏えい、提供し、国家の安全を著しく脅かしたことは実に痛嘆すべき事態だと指摘。被告らは法律によって最も厳しい制裁を受けるべきだとし、重い量刑を裁判所に求めた。
台湾高等法院(高裁)では同日、被告7人の勾留の要否を判断する審理が開かれる。