(台北中央社)台湾高速鉄道(高鉄、新幹線)が先月から導入している「静かな車内」の取り組みに、「子連れにやさしくない」との声が一部から上がっている。インターネット上での物議を受け、児童少年福祉法の主務機関である衛生福利部(保健省)の石崇良(せきすうりょう)部長(大臣)は13日、1カ月以内により柔軟性のあるやり方を部会(省庁)横断で探っていくことを約束した。
高鉄は先月22日、「静かな車内」の取り組みを開始した。客席での通話やスピーカーで音楽や動画を視聴する行為に対して改善を促し、注意に従わない乗客には降車を求められるようにした。乳幼児や、疾病などの明確な要素で自主能力に影響がある乗客については注意を促す対象としていないものの、短文投稿サイト「スレッズ」で10日、「2人の子を連れた母親が注意を受け、デッキへの移動を促されるのを目撃した」との内容が投稿され、注目を集めた。この投稿をきっかけに、取り組みを批判する声も一部から上がった。
石氏はこの日、立法院(国会)社会福利・衛生環境委員会に出席し、答弁した。高鉄の「静かな車内」への物議に関し、車内の静けさの維持は多数の乗客にとってメリットがあるとの考えを示し、部として取り組みの導入に反対はしないものの、交通輸送は親子にも同時に配慮する必要があるとの立場を説明。先月、実際の実施状況を把握するよう交通部(交通省)に書簡で要請したことを明らかにし、子連れとその他の乗客それぞれに配慮した、より柔軟性のあるやり方を1カ月以内に関連部会共同で策定すると約束した。
高鉄は11日、物議のきっかけとなった投稿について、車掌への聞き取りの結果として、当該列車では騒いでいる子供に支援が必要な状況には遭遇しておらず、デッキで子供をあやすよう促す声掛けもしていないと説明した。
また、高鉄は「『静かな車内』の文化は子供を対象にしたものではない」と強調した。