来年1~2月にフランス南西部アングレームで開催予定だった「第53回アングレーム国際漫画祭」の中止が発表されたのを受け、台湾パビリオンの出展を統括する「台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシー」(文化内容策進院、TAICCA)は8日までに、別の漫画イベントへの参加を検討する方針を明らかにした。
運営会社「9eArt+」の不適切な管理や昨年の開催中に性的暴行被害を訴えた従業員が解雇されたことなどを背景に、漫画家や出版社が相次いでボイコットを表明していた。同社は1日、資金不足のため、適切な条件下での開催が不可能だとして中止を発表した。
台湾は2012年から、「台湾パビリオン」を出展。TAICCAは今年上半期に今年の台湾パビリオンの参加クリエーターなどを選定していた。
アングレーム市の「国際フランス漫画館」には毎年12月から翌年2月にかけて、台仏双方によって選ばれた台湾漫画家2人が滞在し、制作活動を行う。今年派遣されたのは陳筱涵(STELLINA CHEN)さんと森森(sen)さんで、両者ともすでに現地に到着している。
陳さんによれば、同所での作品制作は予定通り行われるという。政治漫画を得意とする陳さんは、風刺漫画家としての1日を記録していく予定だとし、漫画祭中止に関連して制作した1こま漫画を発表した。

