(嘉義中央社)現代美術家、奈良美智さんの台湾巡回展の嘉義会場が12日、南部・嘉義県の新港文化館25号倉庫で開幕した。奈良さんは記者会見で、嘉義が台湾近代美術を代表する画家、陳澄波の出身地であることに触れ、陳の故郷での開催に深い感慨を述べた。
巡回展は奈良さんが台湾のために描いた作品「Hazy Humid Day」を10年かけて台湾各地で展示するもので、2023年に南部・高雄市を皮切りに始まった。今回は離島・澎湖県、南部・屏東県、北部・新北市に続いて5カ所目となる。主催は非政府組織(NGO)中華文化総会。
奈良さんは、自身の故郷である青森県と嘉義県がともに農業を中心に発展してきたことから、農業の歴史を象徴する倉庫を会場に選んだと紹介。25号倉庫は1963年に米蔵として建てられ、現在は文化スペースとして活用されている。
また、1931年の夏の甲子園で準優勝した嘉義農林学校(通称KANO)の物語を描いた台湾映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」を2014年に鑑賞して感動し、翌年嘉義を訪れたエピソードも語った。すでに嘉義には4回来訪しているという。
嘉義会場では、台湾初展示となる「Dead Flower 2020 Remastered」を含む計72点が展示される。
来年5月17日まで。入場にはインターネットでの事前予約が必要。


