北部・基隆市の潮間帯でこのほど、「電気クラゲ」と呼ばれるカツオノエボシと共生するエボシダイが確認された。国立海洋科技博物館によれば、エボシダイが自然保護区「潮境保育区」外で観察された初のケースだという。同館は「猛毒コンビ」としてこれらを見つけても触らないよう呼びかけている。
同館によると、7日午後、保護区外に位置する潮間帯を散策していた行楽客が大量のカツオノエボシと魚を見つけ、撮影した写真を同館に提供。詳しく調べたところ、一緒に写り込んでいた魚はエボシダイだと判明した。写真はエボシダイが保護区外で確認された最初のケースとして自然観察アプリ「アイナチュラリスト」に登録された。
青のしま模様が特徴的なエボシダイは稚魚から幼魚期にかけてカツオノエボシの触手の間で生活する。透き通った青い浮き袋を持つカツオノエボシは強力な毒性を持ち、刺されると強い痛みを感じることから「電気クラゲ」の異名をとる。エボシダイはこのカツオノエボシの毒に一定の耐性を持つ数少ない魚類とされる。
同館によれば、エボシダイはカツオノエボシの毒性を盾に捕食者から身を守っていると考えられているという。
同館の王明源館長は、特にカツオノエボシは死骸でも危険だとして、海辺の青紫色の漂着物には手を触れないよう注意を喚起した。


