(嘉義中央社)無人機の製造などを手掛けるTCO(台湾彩光科技、台中市)は11日、無人航空機システムを手掛ける米国企業エッジ・オートノミーが開発した垂直離着陸型の長距離無人機「ペンギン C Mk2.5」の生産ライセンスを取得したと発表した。飛行距離は1000キロを超える他、十数時間の滞空が可能で、AI(人工知能)による認識機能を備えるとされ、今後監視や偵察活動などへの活用が期待されている。
同社は同日、南部・嘉義県布袋クルーザー港で無人機の展示イベントを開催。高度300メートルまで上昇した無人機が撮影した地上の画像を拠点に転送するデモンストレーションが行われた。
同社の張永朋代表は報道陣の取材に対し、無人機の偵察能力と技術はすでに実戦で検証されており、量産段階に入っていると説明。ライセンスの取得により、非レッドサプライチェーン(中国に依存しない供給網)を構築できる他、外国の技術を吸収し、台湾の無人機産業の発展を促せると語った。
また無人機は24時間稼働でき、沿岸部の監視に適しているとし、密航者の上陸を防げると強調。長時間の情報収集や監視、偵察活動にも投入でき、滑走路を必要としないとした。
展示イベントには政府関係者や無人機製造企業の担当者ら約50人が参加した。張代表は、無人機の導入を通じて台湾の自主国防の強化や産業の高度化に寄与したいと意欲を示した。
