(花蓮中央社)東部・花蓮県を流れる馬太鞍渓の上流で21日、せき止め湖の形成が確認された。先月に洪水被害をもたらしたせき止め湖から下流へ約800メートルの地点で、規模は小さい。
馬太鞍渓では、7月に形成が確認されていたせき止め湖から先月下旬、台風18号に伴う大雨の影響で水があふれ出し、下流地域に大規模な洪水被害をもたらした。
災害現場の近くで調整などを行う中央災害対策センター前進協調所の季連成総協調官は21日午前、新たなせき止め湖の満水時の水量は50万~60万トンで、仮に全ての水があふれ出しても川の水位は50~70センチ上昇するだけだと説明。一方、洪水をもたらしたせき止め湖は、水があふれ出す前の水量は9100万トンに及んでいたとした。
季氏は、新たなせき止め湖の21日午前時点での水量は10万トンで、20~24時間後に水があふれ出すとの見方を示した。ゆっくりとしたペースであふれ出す分には問題がないものの、流れが速いとせき止め湖の一部が崩れて水が一度にあふれ出すため心配だと話した。
この影響で、下流で復旧作業に当たっていた作業員に対し、現場から離れるよう指示が出た。下流地域の一部住民も親戚の家などに避難しているという。
花蓮県では馬太鞍渓の他、タロコ(太魯閣)渓谷内の立霧渓でも17日までにせき止め湖が形成された。21日現在、解消に向けて重機を使った掘削作業が行われている。