(高雄、雲林中央社)南部・高雄市政府衛生局は4日、スーパー大手、PXマート(全聯福利中心)で販売された冷凍ティラピアの切り身「台湾鯛魚排(大)」から動物用抗菌薬「エンロフロキサシン」が検出されたとの結果は誤りだったと発表した。陳其邁(ちんきまい)市長は5日、PXマートや養殖業者に謝罪し、市として全ての賠償責任を負う方針を示した。
市衛生局は1日、10月に実施した抜き取り検査でエンロフロキサシン0.028ppmが検出されたと発表。PXマートは販売を停止し、回収や交換、返金を進めていた。
市衛生局によれば、担当者の過失でコンピューター上の設定値が変更され、誤った結果が出たという。正確な結果は「未検出」だった。この担当者は先月4日に退職している。
供給元の中部・雲林県のティラピア養殖業者団体「口湖漁類生産合作社」は2日、同一ロットのサンプルを第三者検査機関「SGS台湾」で検査したところ、エンロフロキサシンは検出されなかったと発表。台湾雲林地方検察署(地検)が3日までに調査に着手していた。
市衛生局は4日、この件を「文書偽造罪」(公務員に不実記載をさせる罪)で捜査機関に送致した。高雄市政府警察局刑事警察大隊によれば、検査を担当した元職員は警察の調べに対し、検査過程で「作業が不適切だった」と認めているという。
口湖漁類生産合作社によれば、現時点で回収・販売停止された12万袋から推計すると、損失は1200万台湾元(約6000万円)以上に上る見通しだという。