南部・台南市で7日、台湾で保護が必要な種に指定されているレンカクの個体数の調査が完了し、前年の調査より95羽少なかったことが分かった。今年7月に台湾本島に上陸し、中南部に甚大な被害をもたらした台風4号の影響で生息地が破壊され、夏季の個体数が減ったことが主な要因とみられる。
レンカクは保護が必要な野生動物第2級「貴重で希少」とされている。水田や湿地などに生息し、水面に浮くヒシの葉の上で捕食や繁殖、ひなの世話をする。
同市のレンカク生態教育園区の李文珍主任によれば、調査は毎年12月の1週目に実施し、個体数の他、湿地の環境の変化や生息地の質を調べる。11年目となった今年は中部・台中、彰化、南部・嘉義、台南、屏東からボランティアが加わり、市内52カ所で調査が行われた。
調査の結果、今年は2934羽確認された。李主任は台風4号の襲来によってヒシが大きなダメージを受け、夏季の個体数が減り、冬にもその影響が続いたとみている。
李主任は個体数の減少について、自然な個体数の変動の範囲内としつつ、気候変動による影響は徐々に顕著になっていると指摘。湿地の生態系の保護に目を向けてほしいと呼びかけた。


