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イ草編みの技術伝承に尽力 台湾の団体が「グッドフォーカス賞」受賞

2025/11/14 11:27
今年の「グッドデザイン・ベスト100」と「グッドフォーカス賞(新ビジネスデザイン)」に輝いた台湾藺草学会の関係者ら。イ草編みの技術伝承を目指す取り組みが文化の保存や農村の活性化につながったことが評価された(同学会提供)
今年の「グッドデザイン・ベスト100」と「グッドフォーカス賞(新ビジネスデザイン)」に輝いた台湾藺草学会の関係者ら。イ草編みの技術伝承を目指す取り組みが文化の保存や農村の活性化につながったことが評価された(同学会提供)

(苗栗中央社)中部・苗栗県苑裡鎮でイ草編みの技術伝承に取り組む台湾藺草学会が、2025年度グッドデザイン賞(日本デザイン振興会主催)で「グッドデザイン・ベスト100」に選ばれた他、「グッドフォーカス賞(新ビジネスデザイン)」を受賞した。文化の保存や農村の活性化、国際的に意義のある持続可能なデザインの指標になっていることが評価された。同学会は、数十年にわたりイ草編みを守り続けた職人らに対する温かい称賛であり、台湾の地方文化のパワーが国際的に認められたと喜んでいる。

グッドデザイン・ベスト100は今年度の受賞対象のうち、各審査ユニットで高い評価を受けたものが選ばれる。またグッドフォーカス賞(新ビジネスデザイン)は、今年度の受賞対象のうち、新たなビジネスモデルや新産業の創出、イノベーションの促進に寄与する優れたデザインとして特に認められたものに贈られる。

同学会の蕭博駿さんは12日、中央社の取材に対し、職人が徐々に減少し、イ草編みの技術伝承が容易ではなくなっていたと指摘。海外での見本市などに出展する中で、大量の注文を処理できない課題に直面していたことから、技術習得をシステム化して、いかに言葉や学歴の違う人に習得させるかを考えたと話す。

その結果として進めているのが、伝統的な師弟制度を変え、モジュール化したカリキュラムや認定制度、教育ネットワークを通じ、イ草工芸の価値をより多くの生活に浸透させる取り組みだ。

20年から実施している認定試験の受験者は500人を超え、合格者は約60人に達した。認定職人の平均年齢は39.7歳で、鎮内でかねてより活動する職人の平均72歳と比べ、若返りを果たした。カリキュラム受講者の6~7%は香港やマカオ、日本、韓国、シンガポールなどからの外国人だという。

「跡継ぎを育成しているのではなく、文化の土壌をつくっている」と同学会。教育制度を核に、地域や工芸、デザインを結び、持続可能な文化伝承の道を築きたいとしている。

(管瑞平/編集:齊藤啓介)

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