(台北中央社)台北市政府文化資産審議委員会は24日、同市万華区華西街で向き合う日本統治時代中期に建設された建物10棟を歴史建築に登録することを決めた。いずれも遊郭だった場所で、当時の面影が残っており、保存価値があるとされた。
審査対象となった建物の住民は、同地が台北発展の起点になった場所だとして、文化保存地域にすべきだと主張。華西街西側の建物は今年5月に火災被害を受けたものの、れんが造りの建物が歴史を背負っているとし、地域全体を文化資産や文化園区とすべきだと語った。
審査委員の王恵君さんは、住民の保存に前向きな姿勢に感動したとした上で、再開発で解体するのは惜しいとし、全体の復元を図れば、万華の特色あるスポットにできると今後の活用に期待を示した。
審議委員会の李乾朗主席は、建物の価値は美しい彫刻の有無やバロック様式かどうかではなく、通りに沿って歴史的象徴があることだと説明。周囲を見渡した際に趣を感じられることが重要だとし、東側と西側の両方の建物を保存すべきだと訴えた。
歴史建築への登録の是非を問う審査委員13人による採決では、登録賛成が反対を上回った。
文化局は結果を受け、財政部(財務省)国有財産署に緊急保護措置を求め、火災で被害を受けた歴史建物の早急な修復を進めるとした。また東側の建物については所有者に対し、今後の修繕・再利用計画の提出を促すとしている。