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花蓮・タロコのせき止め湖 水の排出に向け重機投入も難航/台湾

2025/10/20 17:57
東部・花蓮県のタロコ(太魯閣)渓谷を流れる立霧渓に形成されたせき止め湖で、水を排出するための掘削作業を行うショベルカー=農業部林業・自然保育署花蓮分署提供
東部・花蓮県のタロコ(太魯閣)渓谷を流れる立霧渓に形成されたせき止め湖で、水を排出するための掘削作業を行うショベルカー=農業部林業・自然保育署花蓮分署提供

(花蓮中央社)東部・花蓮県のタロコ(太魯閣)渓谷を流れる立霧渓に形成されたせき止め湖について、農業部(農業省)林業・自然保育署花蓮分署は重機を投入し、水を排出するための掘削作業を進めている。だが湖の天端までの斜面が不安定で作業が難航しており、完了までには長ければ1週間程度を要するとみられている。同分署が20日に明らかにした。

せき止め湖は崖崩れが原因で発生。17日に初めて確認された。崖崩れはタロコ国家公園内の燕子口歩道から約950メートルの地点で起きた。

同分署は19日に最新の地形モデルデータを用いてせき止め湖全体の状況を把握した。同分署の黄群策分署長は、貯水量は230万トンに減り、崖崩れが発生した地点のそばの靳珩トンネルから水のあふれ出しが続いているため水位は上昇していないと説明。水面から天端までの高さは4.8メートルを維持していると述べた。

また、投入したショベルカーは天端まで10メートルの地点まで進んだものの、現場の状況が悪く、1~2メートル進むたびに落石が起きるような状況だと言及。大型の重機は斜面で不安定になる恐れがあり、小型のものでは掘削力が足りないため、斜面を削るなどの作業を繰り返しながら進むしか方法はないと語った。

湖の底では水の浸出が見られる。黄氏は、浸出が拡大しているため、水の通り道ができる「パイピング現象」が起きる可能性があると指摘。大理石が多い地質であることから、天端からの水の流出や底からの浸出で湖が破壊される恐れがあるものの、いつ発生するかは予測できないとした。

▽道路・鉄道への影響

立霧渓の下流にある太魯閣大橋について、交通部(交通省)公路局は20日、車道を通行止めにする可能性を排除しないとした。

線路が立霧渓をまたぐ台湾鉄路は同日、水位は警戒値に達していないとした上で、今後も水位の観測を続け、慎重に判断する方針を示した。

(李先鳳/編集:田中宏樹)

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