(台北中央社)中国で対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室(国台弁)は12日、来年中国が主催するアジア太平洋経済協力会議(APEC)について、「一つの中国」原則の下で「台湾地区は中国台北の名義で、地域エコノミーとして参加する」と表明した。これに対し、外交部(外務省)は断固として非難し、中国側の説明は事実に著しく背いていると反発した。
台湾は1991年、中国や香港と同時にAPECに加入した。外交部は、台湾は同年の主催者である韓国と加入に関する覚書を交わし、「チャイニーズタイペイ」の名義で正式にAPECの完全な会員になったと説明。覚書には「一つの中国原則」に関する文言はなく、台湾とその他のAPECメンバーは平等を基礎として各会議やイベントに参加すると記載されたとした。
また、把握している情報として、中国が加入する際に交わした覚書では、APEC側は中国のいわゆる「一つの中国原則」と、主権国家と地域エコノミーを区別すべきだとの立場については留保するとしたのみであり、同意や受け入れが行われたわけでないと説明した。
外交部は、中華民国台湾は主権独立国家であり、中華人民共和国とは互いに隷属せず、中華人民共和国が一度も台湾を統治したことがないということは国際社会公認の客観的事実と現状だと改めて強調し、中国がいわゆる「一つの中国原則」で台湾の参加の地位を矮小化することは、全てのメンバーに平等な参加を認めるAPECの中核的原則に著しく違反していると訴えた。
中国に対し、主催エコノミーとしての責任を果たし、APECの関連ガイドラインや規範、実践、約束に基づいて台湾側のメンバーが来年中国で行われる全てのAPEC会合やイベントに平等で尊厳を持ち、安全に参加できるようにすることを厳正に要求した。