台湾で保護が必要な種に指定されているタイワンヤマネコに配慮して栽培されたバナナを活用した焼き菓子などが中部・南投県のベーカリーやカフェで今月販売される。農業部(農業省)林業・自然保育署(林業署)南投分署の李政賢署長は、これらの商品を食べることがタイワンヤマネコの保護につながると呼び掛けている。
同署などは2014年から「タイワンヤマネコフレンドリー農作物認証」を推進。農家に対し▼草地を残す▼殺鼠剤やトラバサミを使わない▼犬や猫を放し飼いにしないーーなどを奨励し、野生動物の安全向上を目指した農地づくりを進めてきた。
同署は3日、報道資料を出し、地元の業者やバナナ観光工場などと連携し、タイワンヤマネコにフレンドリーな環境で作られたバナナを加工したパウダーやこのパウダーを使った焼き菓子を開発したと紹介。今月から県内8軒のベーカリーやカフェで販売される。
同署によれば、このバナナパウダーには食物繊維やたんぱく質、抗酸化物質が豊富に含まれている。焼き菓子の開発には今回の企画に参加している8軒が携わり、試作を1カ月半繰り返したという。
同署は、5~31日にこれらの店で商品を購入するとポイントをためることができ、限定のギフトセットと交換できるとしている。
李署長は、タイワンヤマネコの保護はただの政策にとどまらず、一種のライフスタイルにもなり得ると指摘。今後も地元の業者や農家と協力し、「タイワンヤマネコフレンドリー」の考え方を広めていくとの姿勢を示した。

