(花蓮中央社)国土交通省から提供された水位観測ブイが19日、東部・花蓮県の馬太鞍渓上流にできたせき止め湖に投下された。農業部(農業省)林業・自然保育署花蓮分署は、すでに衛星通信を通じた計測データの伝送が始まっており、警報発表や防災関連の判断に寄与するとしている。
17日にブイの引き渡し式が行われた。同分署によれば、内政部(内務省)空中勤務総隊のヘリコプターが輸送して投下した。
せき止め湖にはすでに成功大学(南部・台南市)の防災研究センターが水位計を設置していたものの、ケーブルの長さの制限があり、水位がセンサーを下回ると計測できなくなる他、今後の台風や大雨で斜面が崩れた際にも計測不能となる恐れがあった。
新たに投下されたブイは、腐食や衝撃、強い流れへの耐性があり、極端な環境下でも安定して計測ができる。同分署は、成功大が設置したものと併せ、水位を多角的に監視できるとした。
せき止め湖は7月に形成が確認された。先月下旬、台風18号に伴う大雨の影響で水があふれ、下流地域に大規模な洪水被害をもたらした。今後再び水があふれる恐れもある。人的被害は19日時点で死者19人、行方不明者5人、負傷者157人となっている。