(桃園中央社)北部・桃園市復興区で今年3月、タイワンツキノワグマ(台湾黒熊)とみられる動物の目撃情報が2件寄せられ、農業部(農業省)林業・自然保育署新竹分署は、目撃時の状況や外観の特徴、行動に関する証言などからタイワンツキノワグマが出没したと認定した。タイワンツキノワグマの生息分布の北限に近いエリアで個体が目撃されるのは、2000年以来およそ24年ぶりとなる。
同分署が8日に発表した報道資料によると、今年3月30日午後2時ごろ、台湾原住民(先住民)族が受け継ぎ、開発が制限されている海抜700メートル地点の「原住民保留地」周辺の竹林で、作業中の人が大型動物が歩く音を聞いた。その数時間後、別の人がオートバイで移動中、高さ1.5メートルの柵からタイワンツキノワグマが飛び降りるのを見たという。クマは周囲を見回し、その後道路を横断して竹林の中へ姿を消した。
同分署は、2件の目撃現場ではクマの足跡や引っかき傷、ふんなどは確認されなかったとしながらも、目撃された動物はタイワンツキノワグマだと認定。2カ所の現場は600メートルしか離れておらず、同じ個体だとみられるとした。
復興区ピヤワイ集落では、20年と23年にもタイワンツキノワグマが無人の赤外線カメラに捉えられている。同分署は今回の目撃情報について、生息状況が回復していることの表れだとの見方を示している。