(台北中央社)定例軍事演習「漢光41号」実動演習の7日目となった15日、陸軍による「縦深防衛作戦」の訓練が北部・新北市八里区の台北港周辺で行われた。人民解放軍がすでに台湾に上陸した状況を想定し、敵の前進を阻む六重の障害物を道路に設置。機械化歩兵が多目的装甲車「CM32」や対戦車ミサイル「TOW(トウ)2B」発射台付き車両の援護の下、小銃や機関銃で相互支援をしながら順次後方に撤退する訓練を実施した。
訓練では台北港から延びる道路に、コンクリート塊、車両用防護柵(ジャージーバリア)、対戦車障害物(通称「チェコのハリネズミ」)・蛇腹有刺鉄線、ヘスコ防壁、コンテナ、観光バスなどの大型車両を順番に配置。六重のバリケードを築いた。上空では戦術無人機が観測と偵察を実施した。
軍は、同作戦では奥行きのある縦深空間を利用し、兵力や火力で敵軍を消耗させるとともに、国軍の戦力を保存する狙いがあるとした。
CM32には30ミリチェーンガンと40ミリグレネード弾が搭載された。また併せて、模擬の負傷者を避難させ、救護する「戦術的戦傷救護」の訓練も実施された。