(台北中央社)日本統治時代に嘉南大圳や烏山頭ダムといった台湾南部の水利施設の建設に尽力した水利技師、八田與一の名前を冠したコメ「八田穂越」が5日、南部・台南市で開かれた記者会見でお披露目された。八田の台湾南部への貢献に感謝を込めて命名した。黄偉哲(こういてつ)台南市長は、今後は八田米を総統府に届け、総統が日本からの来賓と面会する際にお土産として提供できるようにすると明かした。
八田の逝去から8日で83年になるのを前に発表された。台南市農業局と同市六甲区公所(役所)、六甲区農会(農協)、六甲の生産者組合が共同で開発した。
黄市長は、八田米は台南で生産された良質なコメであるだけでなく、文化面でも意味を持つと紹介。八田が手掛けた嘉南大圳や烏山頭ダムといったかんがいシステムによって最高の台南米が育まれたとし、八田米は八田とこの土地が歩んできた歳月を象徴するとともに、八田の精神を具象化、商品化したものだと語った。また、八田米が日本でも知名度を獲得できるよう期待を寄せた。
(編集:名切千絵)