(台北中央社)政府系研究機関、中央研究院は15日、同院天文・天文物理研究所が参加する国際研究チームが、太陽系外縁部で新たな天体「アンモナイト」を発見したと発表した。研究に携わった陳英同氏は、失われていたパズルの1ピースを見つけたようなものだと語っている。
同研究院によると、アンモナイトはすばる望遠鏡による観測で見つかった。太陽に最も近づく時でも、太陽と海王星の距離の2倍以上離れており、太陽系外縁部を特異な軌道で公転する小天体群「セドノイド」の一つとされる。
アンモナイトはこれまでに見つかっていた三つのセドノイドと公転の方向が逆で、この小天体群の複雑さや歴史に新たな手掛かりをもたらすとともに、太陽系外縁部に未知の第9惑星「プラネット・ナイン」が存在する可能性が低くなったという。
コンピューターのシミュレーションによれば、アンモナイトの軌道は数十億年にわたって安定しており、太陽系やその他の天体の影響は受けていないとみられる。同研究院は、太陽系の誕生初期から軌道構造を保つ化石的記録である可能性があるとしている。
陳氏は、太陽系外縁部の極めて遠い天体の軌道分布に対する理解が広がったとの認識を示した。
研究チームは国立天文台や近畿大などによって構成され、今回の研究成果は14日、専門誌「ネーチャー・アストロミー」に掲載された。