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復旧に励む台湾電力作業員に感謝 匿名の市民が飲食代支払う ドリンク店でもサービス

2025/07/14 18:52
南部・嘉義県で復旧に励む台湾電力の作業員=台湾電力提供
南部・嘉義県で復旧に励む台湾電力の作業員=台湾電力提供

(台北中央社)台風4号で大きな被害を受けた南部・嘉義県や台南市の一部地域では、電力の復旧作業が今でも続けられている。昼夜を問わず作業に当たる台湾電力(台電)の作業員に感謝の意を示そうと、嘉義県のドリンク店が台電作業員を対象にドリンクを無料提供するサービスを始めた他、台南市内の飲食店では作業員グループの来店時に居合わせた客が代わりに食事代を支払う出来事もあった。

台風4号は6日夜に嘉義県に上陸。台湾西部地域を縦断し、7日朝に台湾海峡に抜けた。台電によると、台風の影響で全国で電柱2500本超、送電塔3基が倒れ、電力被害のほとんどが嘉義県、嘉義市、台南市に集中した。停電戸数は嘉義県、嘉義市で計25万戸、台南市で19万戸に上った。14日午後4時現在、嘉義県で2326戸、台南市で2058戸が依然として停電している。

台湾電力の作業員に無料でドリンクを提供する嘉義県水上郷のドリンク店=2025年7月14日、中央社記者黄国芳撮影
台湾電力の作業員に無料でドリンクを提供する嘉義県水上郷のドリンク店=2025年7月14日、中央社記者黄国芳撮影

嘉義県水上郷のドリンク店は11日から、台電の作業員に無料でドリンクを提供するサービスを開始した。ドリンク店によると、店が省道沿いに位置していることもあり、毎日多くの作業車が被災地に向かうのを目にしていたという。作業員の中には桃園や東部・花蓮など遠方から派遣された人もおり、作業員が昼夜を問わずに作業に当たる姿に感動し、行動で支援しようと決めたと明かした。無料配布したドリンクは毎日数百杯にも上る。サービスは15日まで続ける。

ファストフードチェーン、マクドナルドもセットメニュー100食近くを台電嘉義対策センターに差し入れた。

台南市内の飲食店で食事をする台湾電力の作業員=飲食店側提供
台南市内の飲食店で食事をする台湾電力の作業員=飲食店側提供

来店客が台電作業員の飲食代を代わりに支払う出来事があったのは、台南市学甲区の牛肉麺店。13日夜9時ごろ、同店には台電作業員6人が来店した。その際、店に居合わせた男性客が会計時、台電作業員の飲食代として2000台湾元(約1万円)を店主に差し出した。店主はこの男性客に連絡先を尋ねたものの、男性は「結構です」と返事をし、立ち去ったという。

店の責任者が一連のやり取りをフェイスブックに投稿したことで明らかになった。

当事者の一人である台電新営区営業処職員によると、別の客が飲食代を置いていったと店側から聞き、温かい気持ちになったものの、辞退しようと考え、お金を手に男性の後を追った。だが男性はすでに車に乗り込んでおり、こちらに手を振ってから店を後にしたという。

この職員は、この数日、ドリンクや軽食の差し入れは度々あったものの、飲食代を支払われたことはなかったと明かす。男性の身元や連絡先が分からないことから、好意をありがたく受け取り、作業員を代表して感謝したいと話した。

(蔡智明、黄国芳、楊思瑞/編集:名切千絵)

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