(台北中央社)中部・台中市でアフリカ豚熱(ASF)の感染が確認されたのを受け、石崇良(せきすうりょう)衛生福利部長(保健相)は30日、全ての入境者を対象に、肉製品の持ち込みに関する検査を一律で実施すると明らかにした。水際対策を強化することで、家畜伝染病の侵入を防ぐ。
台湾は2019年2月以降、到着便をアフリカ豚熱の高リスク国とそれ以外に分け、高リスク国からの入境者には入国審査前にX線での手荷物検査を実施。非発生国からの入境者には降機後に識別カードを配布し、検査を免除する形式を採用してきた。発生国から豚肉製品を不法に持ち込んだ場合、1回目は20万台湾元(約100万円)、2回目以降には100万元(約500万円)の過料を科す。外国人は過料を全額納付しない限り、入国が認められない。
石氏は立法院(国会)社会福利・衛生環境委員会への出席前に報道陣の取材に応じた。
水際対策について、現行でも財政部関務署(財務省関税局に相当)が全ての荷物や輸入された物品に対し、X線や開封による検査を実施していると説明。今後、X線検査の対象を拡大する方針を示した。
関務署の統計によれば、2023年元日から今月26日までに摘発した未許可での豚肉製品持ち込みは3422件、3005キロに上った。このうち、旅客による違反が2119件、1641キロと最多で、次いで郵便物が1087件、825キロ、速達貨物が216件、539キロだった。

