農業部(農業省)桃園区農業改良場は27日、超音波を用いた技術によってキク科の植物、キンセンカの花から目の健康維持に役立つルティンの抽出に成功したと発表した。同方法で抽出したルティンをスイーツに使えば、グルメを楽しむと同時に栄養素も補給できるようになるとしている。
開発の背景について、同農改場は現代人のスマホの長時間使用で目が疲れやすくなることや、ルティンが体内で合成できず、飲食を通じて摂取しなければならないなどと説明。
また、ルティンの機能性成分を守るため、市販されている関連商品の多くはカプセル状で、これはのみ込みが苦手な子どもや高齢者には不便であることも考慮したという。
一方、超音波によるルティン抽出は栄養素の破壊を効率的に減らせる他、体内で実際に利用される割合を高めることもできるとメリットを強調した。
台湾では北部・新竹県の尖石郷がキンセンカの栽培で有名。毎年3~5月の開花期になると、多くの行楽客でにぎわう。同農業改良場によれば、地元ではすでに新技術で抽出したルティンをアイスクリームやシュークリーム、ワッフルなどのスイーツに使用するなど、集落巡りのアグリツーリズムに応用している。