(台中中央社)台湾プロ野球、楽天モンキーズは28日、敵地・台中インターコンチネンタル野球場(中部・台中市)での台湾シリーズ第5戦で中信ブラザーズを延長十一回の末に9―7で下し、4勝1敗として優勝を飾った。台湾一になるのは前身のラニューベアーズとラミゴモンキーズ時代を含めると6年ぶり8度目で、楽天としては初。
楽天は古久保健二氏が、中信は平野恵一氏が監督を務めており、今年は台湾プロ野球36年の歴史で初めての外国人監督対決となっていた。古久保氏は、昨年に中信を優勝に導いた平野氏に続き、日本人として5人目の台湾一監督となった。
台湾シリーズは4勝先取。18日に始まり、楽天は2連勝でスタートした。21日には中信に敗れるも、長引く雨天で26日に順延となった第4戦では再び勝利し王手をかけた。
楽天は勝てば優勝が決まるこの日の試合で、一回表に1点を先制するも、その裏に3点を失い逆転を許した。二回に2点を取って一時は同点に追い付くも、六回までに再び4点のリードを与えた。
その後七回に1点、八回に3点を奪い返して試合を振り出しに戻し、以降は中信に点を許さず延長十一回へ。林泓育の放った2ランが勝負を決めた。
投げては先発のマルセロ・マルティネスが五回まで95球を投げ6安打2四球3奪三振6失点(自責1)で降板。その後は6人の投手がマウンドに立った。勝ち星は荘昕諺がつかんだ。
就任2季目での悲願達成となった古久保監督は試合後、「夢のよう」だとコメント。点差が広がった時には雰囲気が重くなったとしつつ、その後の追い返しに触れた上で「選手一人一人の執念や頑張りに敬意を表する」と語った。
楽天は今季、レギュラーシーズンでは4連敗からスタートしたものの、前期終了時には勝率を5割まで戻し、シーズン終了時には年間3位でプレーオフ出場権を手にした。古久保監督は、プレーオフの前に選手らに対し、ここまでの道のりは「選手一人一人の頑張りのおかげであり、私たちはその手助けをしただけ」と伝えていたと明かした。また、ファンや球団スタッフなどへの感謝も示した。
▽日本人監督の台湾一は7度目
日本人が率いる球団が初めて台湾一となったのは、1992年の森下正夫監督の兄弟エレファンツ(現中信)だった。93、94年も山根俊英監督が兄弟を率いて連覇を達成。続く95、96年は大石弥太郎監督の統一ライオンズが2年連続で年間王者となり、5年連続で日本人監督の球団が頂点に立った。その後、日本人監督の球団は年間優勝から遠ざかっていたが、昨年、平野氏率いる中信がシリーズで統一を下し、28年ぶりに日本人監督が台湾一に返り咲いた。


