(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は20日、「一つの中国」を巡って両岸(台湾と中国)双方の窓口間で合意したとされる「92年コンセンサス」や「一つの中国」原則を受け入れれば平和を得られるということは「あり得ない」との考えを示した。
台北市内のホテルで開かれた在外中華民国(台湾)籍者関連業務を担当する僑務委員会の年次会合で述べた。
「92年コンセンサス」を巡っては、中国の習近平国家主席が19日、最大野党・国民党の次期党主席(党首)に選出された鄭麗文氏に送った祝電で言及していた。
頼氏は、平和には理想が不可欠であるものの、幻想を抱いてはいけないと強調。「紙切れ一枚の平和取り決めに頼るだけで平和を手に入れるということは不可能で、侵略者の条件を受け入れることもあり得ない」とし、いわゆる「92年コンセンサス」や「一つの中国」原則を認めることによって平和になれることはあり得ないと述べた。
頼氏は、2030年には国内総生産(GDP)に占める国防予算の割合を現在の3.32%から5%に引き上げたいとし、台湾の防衛力を引き続き強化していく姿勢を示した。