(台北中央社)ポーランドで開かれたケトルベルスポーツの世界選手権で、台湾の選手が優勝した種目の表彰式の際に中華民国(台湾)国歌が流された。金メダルを獲得した曽詠麟さんはフェイスブックで「これまで国際大会の会場で国歌を聞いたことはなかった」とつづり、当時の感動を明かした。
世界選手権はケトルベルスポーツの国際組織「国際ケトルベルリフティング連合」(IUKL)が主催したもので、ポーランドのカリシュで初開催された。15日から20日まで世界26カ国から340人を超える選手が出場した。
今大会で台湾代表は金5個、銀3個、銅9個を獲得。曽さんは丁亜涵さんと共に出場した混合リレーで金メダルを獲得した。
曽さんは、国歌が会場に響くと、目を潤ませながら丁さんと国歌を歌ったといい、「この感動で長い間心が落ち着かなかった」と明かした。また「私にとって意味は大きい。この時を一生忘れない」と喜びをかみ締めた。
代表団は21日に駐ポーランド台北代表処を訪問し、国歌が流されたことを劉永健代表(大使に相当)に報告した。曽さんは、劉氏も非常に感動しているようだったとし、「台湾人が感動してくれるなら、私がこれまで8年にわたりケトルベルスポーツの分野で行ってきた外交と努力はそのかいがあった」と感慨深げに振り返った。
五輪では中国の圧力を背景に、台湾の選手の表彰式の際には中華民国国歌ではなく、中華オリンピック委員会会歌(国旗歌)が演奏される。その他の国際大会でもこれに準じ、オリンピック委員会会歌が使われることが多い。
(編集:名切千絵)