(台北中央社)俳優の西島秀俊とグイ・ルンメイ(桂綸鎂)が共演する日台米合作映画「Dear Stranger/ディア・ストレンジャー」が、台湾で11月に開催される「2025金馬国際映画祭」の閉幕作に選ばれた。西島は映画祭に合わせて台湾を訪問し、ルンメイや真利子哲也監督と共に上映後のトークセッションに出席する。西島はその年最も注目されるべき一人の映画人として「焦点映画人」にも選出され、映画祭では西島の特集上映が組まれる。
台北金馬映画祭実行委員会が3日、発表した。
西島は報道資料を通じてコメントを寄せ、新作が同映画祭の閉幕作に選出されたことを「大変うれしく思っています」とし、今年の焦点映画人に選ばれたことは「とても光栄」だとして感謝を表明。「11月に台湾の皆さまとお会いできる日を、今から楽しみにしています」と訪台に期待を示した。
西島の特集では、主演作の「ニンゲン合格」(1999年)、「CUT」(2011年)、「ドライブ・マイ・カー」(2021年)などが上映される。
「ディア~」は米ニューヨークで暮らす日本人と中華系米国人の夫妻の生活が、幼い息子の誘拐事件を機に変化し、悲劇に翻弄される中で、口に出さずにいたお互いの本音や秘密が露呈し、夫婦間の溝が深まっていく―という物語。
開幕作には台湾のチェン・ユーシュン(陳玉勳)監督の新作「大濛」(A Foggy Tale)が選ばれた。世界初上映となる。同作は国民党政権が市民の思想や言論を弾圧した「白色テロ」が横行した民国40年代(1951~60年)を背景に、庶民が時代の奔流の中で生存を懸けて奮闘する勇気と感情を描いた。
チェン監督は、幼い頃に百貨店の開業に憧れ、いつか自分も何か開幕できるものがあればと願っていたと話し、「人生の望みがかなった。とてもうれしく、光栄」と開幕作選出に喜びを示した。
同映画祭は11月6日から23日まで。チケットは10月26日に販売開始される。
(編集:名切千絵)