(台北中央社)台北金馬映画祭実行委員会は12日、第62回ゴールデン・ホース・アワード(金馬奨)の生涯功労賞を俳優のチェン・シューファン(陳淑芳)さんに贈ると発表した。チェンさんの演技を高く評価するだけでなく、表現活動への絶え間ない貢献に敬意を示すものだとしている。
チェンさんは1939年生まれの86歳。57年に台湾語映画「誰的罪悪」でデビューして以降、多数の映画やドラマで活躍してきた。80年代から90年代に台湾映画界で巻き起こった運動「台湾ニューシネマ」では常連俳優の一人となり、ホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督の「悲情城市」や「恋恋風塵」など、台湾ニューシネマを代表する作品に相次いで出演した。確かな演技力は新鋭監督からも信頼を集め、80歳を過ぎた現在も映画やドラマへの出演の他、チャリティー活動や声の仕事にも熱心に取り組んでいる。
2020年の第57回金馬奨ではシュー・チェンチエ(許承傑)監督の「弱くて強い女たち」(孤味)で主演女優賞、チェン・ヨウジエ(鄭有傑)監督の「親愛なる君へ」(親愛的房客)で助演女優賞を受賞し、同一年に主演女優賞と助演女優賞をダブル受賞する史上初の快挙を達成した。
チェンさんは受賞の知らせを受け、「金馬奨の生涯功労賞を獲得できてとてもうれしい」と喜びのコメントを寄せた。演技は生涯の趣味だとし、受賞によって出演料を引き上げたり、役を選り好みしたりすることはないと強調。自身を覚えていてくれ、機会を与えてもらえるのならば、喜んで演じ続けていくと語った。
今年のノミネートは10月1日に発表。授賞式は11月22日に台北市の台北流行音楽センターで開かれる。金馬映画祭は11月6日に開幕する。