東洋のノーベル賞を目指す「唐奨」の運営団体、唐奨教育基金会は17日、第7回漢学賞の受賞者に中国・復旦大学の葛兆光(かつちょうこう)特別招聘上席教授を選んだと発表した。葛氏は中国の古代思想史が専門。伝統的な歴史観に果敢に挑戦するとともに、西洋の思潮にも呼応し、学界に大きな影響を与えてきた。
1950年、中国・福建省生まれ。文化大革命で一時は学業の中断を余儀なくされるも、終結後に北京大学で学び、修士号を取得した。東京大学や京都大学で客員教授を務めた経歴も持つ。
発表記者会見に出席した政府系研究機関、中央研究院の研究員、黄樹民さんは、中国史研究は従来、漢民族中心かつエリートの視点で語られることが多かったが、葛氏は「中心」から「周縁」へ、「古典」から「一般」へ、「エリート思想」から「庶民生活の観点」への転換を主張していると紹介した。
葛氏はビデオメッセージで、将来の中国に関する研究がさらに多様化、国際化していくよう望んでいると言及。インド学やペルシャ学、日本学などの分野と対話を深めることにも期待を寄せた。
唐奨教育基金会の陳振川執行長(CEO)は、両岸(台湾と中国)関係が敏感な状況にあるものの、葛氏が授賞式や講演のために訪台できるよう全力を尽くすと話した。


