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離島・蘭嶼のタオ族、木造船でフィリピンの島へ 15日に出航/台湾

2026/06/11 18:07
台湾原住民(先住民)族タオ族に伝わる伝統船の進水式=原住民族文化事業基金会提供
台湾原住民(先住民)族タオ族に伝わる伝統船の進水式=原住民族文化事業基金会提供

(台東中央社)台湾原住民(先住民)族タオ族が多く暮らす東部・台東県の離島、蘭嶼で15日、伝統的な大型木造船「チヌリクラン」で100キロ以上離れたフィリピン北部バタン諸島のバタン島を目指す挑戦が始まる。成功すれば、約300年にわたって途絶えていた航海が再現されることになる。

船は全長12メートルの20人乗りで、行政院(内閣)原住民族委員会、財団法人原住民族文化事業基金会、蘭嶼の6集落の住民らが共同で建造。「オバヤン黄金友誼号」と名付けられた。オバヤンはタオ族の言葉で男性が身に着ける金の胸飾りを指し、蘭嶼とバタン諸島の間で海上交易が行われていた文化的記憶を象徴している。

同基金会のマラオス董事長(会長)によると、タオ族とバタン諸島の人々には共通する口承の歴史がある他、古来より貿易や通婚の関係があったとする言い伝えが残っている。互いの言葉は約6割が通じ、かつては活発な往来があったが、ある誤解によって300年以上にわたり伝統的な船での行き来が途絶えているという。

マラオス氏は11日、中央社の電話取材に応じ、60人のこぎ手が交代しながら航行すると説明。夜通しで2日間かけてバタン島のマハタオ港に向かい、その後は入港の儀式や文化交流が行われる予定だと話した。

9日には蘭嶼で進水式が行われた。出席した原住民委員会の曽智勇(そちゆう)主任委員(大臣)は、台湾はオーストロネシア語族が世界へ広がる重要な拠点だったと指摘。原住民族が受け継いできた海の知恵は、集落内にとどまらず国にとっても重要な文化の力だと話した。その上で、今後も言語の復興や工芸交流、若者の相互訪問などを進め、オーストロネシア文化の海を越えた交流を続けていきたいと語った。

(盧太城/編集:田中宏樹)

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